病気になる原因はいろいろありますが、活性酸素は病気の誘因を誘う原因の一つでかなりの多くの事が分かってきました。
活性酸素による体への障害はまだまだ研究段階ですが次のような症例、報告があります。
脂質が活性酸素(特に、ヒドロキシルラジカル)により酸化変性され、過酸化脂質が生じます。
過酸化脂質は細胞膜機能を変化したり、細胞に障害をきたします。また、他の蛋白も酸化します。
脂質は、血液中ではLDLなどのリポ蛋白として運搬されますが、過酸化脂質が増加した酸化LDLは、血管内皮細胞に障害をきたし、動脈硬化を来たしたり、血栓を作りやすい体質になります。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞が発症する可能性が高まります。
すべての活性酸素は、核酸を障害します。
細胞は活性酸素により核酸を障害し、DNAが酸化されると癌化したり、細胞死に陥ります。
DNAが酸化されると、正しい遺伝子情報にキズがつくので、細胞分裂の暴発を誘因する可能性が高まります。
この狂った細胞分裂の暴発が癌となります。
活性酸素は、細胞分裂による染色体末端を保護が弱くなり、細胞の分裂回数を減らしてしまいます。
細胞分裂ができる回数が減ってしまうと言うことは、寿命が短くなり、老化が早まってしまいます。
白内障は目の中のレンズに当たる水晶体が白く濁る病気です。
水晶体はクリスタリンというたんぱく質とヒアルロン酸というアミノ酸と糖の結合体で、弾力性に富んで柔らかく、透明性を保っています。
糖尿病などで、高血糖状態が続くと、ミトコンドリアの電子伝達系を介して、活性酸素が多く産生されます。
活性酸素水により水晶体のたんぱく質が酸化することにより、透明なはずの水晶体に濁りが生じてくると老人性白内障になる可能性が高くなります。
細胞内の小器官であるリソソームの膜の不飽和脂肪酸が、活性酸素で酸化されると過酸化脂質生じます。
過酸化脂質生が、不溶性色素として蓄積すると、シミになります。
脳の生理的活動の中で作られるアミロイド・β(β蛋白)が、2つ以上結合すると活性酸素を産生して、脳神経細胞を殺してしまう事がわかってきました。
結合したアミロイドβが神経細胞の周りに集まり、活性酸素により細胞内の微小管を形成するタンパク質タウがはがれ、凝集を始めます。
こうなると神経細胞は死んでしまい、アルツハイマー超の発症につながると考えられています。
腎臓病では、活性酸素が腎炎やネフローゼ症候群での糸球体の障害、薬物性腎障害、急性腎不全の発症などに関与している事が明らかになりました
。また、腎不全者や人工透析を受けている人は、体内での『活性酸素』産生量が腎機能正常者の約2倍位に増えていることが究明されています。